もやしの栄養と健康効果

手軽で日常的に利用している野菜のひとつが「もやし」でしょう。とにかく、いろんな料理に活用されています。しかし、もやしとはどんな野菜のことなのか、と問われると「？」がつくのではないでしょうか？


もやしは、主に穀類、豆類の種子の新芽で、人為的に発芽させたものです。つまり、もやしはひとつではないということです。豆類のもやしは特に豆もやし（ビーンズスプラウト、ビーンスプラウト）と呼ばれ、豆もやしは、豆自体、発芽した芽と茎が食用になっています。


「もやし」は「萌やす・発芽させる」という意味の連用形で、もともとは穀類の新芽作物一般を指している言葉なのですが、近世になってから緑豆もやしが非常に普及したので、単にもやしと言った場合は「緑豆もやし」を指すことが多くなったのです。


もやしの一種ということでは、ワラビ、タケノコ、カイワレ大根、ブロッコリーなどの新芽作物もその範疇ということになるでしょう。こうしたいわゆる新芽作物（スプラウト）もかなり一般的になってきています。


もやしにはいろいろな栄養素がふんだんに含まれており、ヘルシーな食品です。種には、デンプン、脂肪、タンパク質などが蓄えられていますし、潜在的な栄養素が加水分解され、もやしになる過程でエネルギーを放出しながら細胞、組織を作り、成長していきます。


こうした新陳代謝の過程で、含まれていなかった新しい栄養素も合成されます。発芽という過程のメカニズムは複雑であり、ある意味神秘的な反応が起こっているとも言えるでしょう。